漫画感想✩.*˚

漫画大好きなつきちが感想を書きます

ベルセルク 3~4巻 感想

ガッツの過去編に入りましたね

ガッツの祖母的ポジションで漫画を見てるから本当に辛いですね精神的に。


ガッツは母親の骸の下、血溜まりの中でへその緒がついたまま泣いていました。

生まれた瞬間に天涯孤独です。

そこをたまたま通りがかった傭兵達に拾われます。傭兵の彼女が流産したばかりというのもあり、シスという女性に抱きしめられます。

シスは強い愛情でガッツを抱きしめます。

戦場で苦しい思いをしても、どんなにひもじくても、赤ん坊を愛することができるって、女性の本能は素晴らしいですね。


しかしシスは感染病にかかって死んでしまいます。ガッツが物心つく前の話です。

これでもう、ガッツを愛してくれる人はいなくなりました。

シスの彼氏であるガンビーノは、ガッツに冷たく当たります。暴力も振るうし、暴言も吐きます。

ある日ガンビーノはガッツに、お前も戦場に出て稼げと言います。子供用の剣はないから、大人用のものを使えと吐き捨てて、身長ほどの剣を渡します。ガッツは一生懸命剣を振ります。それしか生きる方法が無いから。まだ子供です。


そこからのガッツの人生はひどいものです。

ガンビーノに銀貨3枚で売られ、仲間の1人にレイプされたり、ガンビーノに邪魔だから死ねと殺されそうになったり、防御しようとしたら逆に刺しちゃったり。それを目撃した仲間たちがガッツを敵だと判断し、追いかけられ、矢でうたれ、犬に襲われ、また別の傭兵に助けられ…。


良い記憶など、ひとつもありません。

そんな時にガッツは1人の男と出会います。

それが、グリフィスです。


はじめて言われるのです。

「おまえがほしい」

「オレはお前が気に入った」

生まれてはじめて、自分を肯定してくれる人に出会えたのです。

この時のガッツの表情は、喜びよりも、驚きと疑惑でいっぱいのようです。

なぜ…?と。

今まで、労働力か肉体しか必要とされなかったのに、なぜこの男はー?と。


友情のはじまりに涙が出ます。

しかし3巻では、グリフィスは敵のようでした。

一体ここから、どうなっていくのか…

ハッピーエンドでは無いことは分かっていますが、願わくば、一時でもガッツの笑顔を…。


印象に残ったセリフ


「わざわざ自分の身を死の危険にさらして 逆にそこから命を拾おうとあがいている…そんなふうに感じたよ」


「よく喋る野郎だな…教えてやる 戦じゃ口はこうやって使うんだ」

ベルセルク 2巻 感想


▪️内容まとめ


ガッツとエルフがたどり着いた街は、伯爵が「邪教徒狩り」と称して領民を処刑するような場所だった。


処刑の瞬間を目撃したガッツは気を悪くしたのか、伯爵に攻撃する。


兵隊達に追われ、追い込まれたところでとある老人の呼ぶ声が聞こえた。


その老人、ガルバスは伯爵に恨みがあり、ガッツに復讐依頼をする。

ガッツは彼が所有するベヘリットという"ゴッド・ハンドを呼び出す鍵"をもらうことを条件に、依頼を受けるが──────


▪️感想


気に食わないと手を出しちゃう系男子のガッツは今回も自分からややこしい事に巻き込まれ、ピリピリしてました。


復讐依頼をした老人のガルバスは、伯爵から逃げようとしたところを捕まえられ、妻と子供を目の前で殺されて食べられてしまいます。そして自身も両足切断や皮膚を剥がされたり、壮絶な拷問を受けました。


ガルバスは悲惨な姿になってしまいましたが、そのことに対する怒りよりも、妻と子を助けられなかった無力感が強いように感じます。怖くて、でも何も出来なくて、悔しくて。そんな時にガッツが来てくれたんですもの、嬉しくてたまりませんよね。


しかしガッツとガルバスには温度差があります。

ガルバスにとってガッツは救世主であり、味方。

しかしガッツにとってガルバスは、こちらが欲しい物を持っているだけの、剣も握れない老人。

ガッツはガルバスに冷たく接しますが、それは「嫌いだから」というより、「守れないから情を持ちたくない」という気持ちなのでしょうか?

だとすると、やっぱりガッツ、怖がりですね。

優しい人の臆病さが攻撃性に変わるのって、こういうことなんだなぁと…。


彼たぶん、令和の時代に生まれてたらうつ病になってそうです。そしてそれに気が付かないまま過労死するタイプです。


ガッツの内側の奥底にある優しさと弱さに気がついているからパックはほっとけないんですよね。

そしてそれを分かっているからガッツの暴言を叱るのです。言っちゃいけないことだって分かるでしょ!って。

お母さんですねー完璧に母親代わりですよ、パック。

2人ともかわいいなぁ


1巻感想の時に母親の気持ちで見るとか言ったけど、娘と孫をみてるおばーちゃんの立ち位置で暖かく見守りたいと思います!


▪️印象に残ったセリフ


・大きすぎる野心の代償は破滅さ


・これは俺の戦いだ!!血と肉を持ったこのオレのな!


ねぇパック あなた飛べるんでしょ…?それって…どんな感じ…?

ベルセルク 1巻 感想

■漫画紹介


こちらの作品は、三浦建太郎先生の作品です。

1989年の月刊アニマルハウスで連載をはじめ、その後ヤングアニマルにて20年以上連載が続いていました。

三浦建太郎先生は1966年生まれですから、

23歳の若さでベルセルク 第1巻を描いたのです。

23歳であの画力です。

先輩漫画家はとんでもないバケモノが来たと震えたことでしょう。


では読み終えた感想を書いていきます。


■あらすじ


主人公のガッツは、5人の"ゴッド・ハンド"を探し続ける剣士です。

左腕につけたボーガン、背中に背負う太刀、

まるで歩く武器庫のような格好をしています。

そんなガッツは、ゴッド・ハンドを探す旅の途中で、パックというエルフに出会います。

パックは盗賊に的当ての的として使われているところをガッツに助けてもらい、そこから彼の旅についていきます。

エルフは顔色変えずに敵を倒していくガッツに恐怖心を抱くようになりますが、彼の感情の中に悲しみがあることに気がつき、再度共に旅をする決心をするのですー

ゴッド・ハンドとは何者か?

ガッツはなぜ探しているのか?

読み進めるほど謎が増えていきます。



■読んでみての感想


作者の方が亡くなったことを知ったベルセルクファンの知人がひどくショックを受けておりました。テレビニュースにも、ネット記事にも載りました。

だから、読み始めた動機はあまり良いものとは言えませんが、死を惜しまれる漫画家とは、どのような作品を描くのだろうという好奇心から始まりました。


孤独に戦う剣士はいつの時代も格好良いもの。

みんなを守る、国を救う、困ってる人を助ける…

この漫画の主人公ガッツもそんなヒーローのような剣士──────ではなく。

ただ自分の恨みを晴らすためにのみ剣をとり、またそれを邪魔する存在にも剣を振る。

その戦いに巻き込まれた無関係の善良な少女が死のうと、「アリを踏み潰すことを気にしてたら歩くこともできゃしねぇんだ」と笑いながら言うガッツ。

ただその笑みには、どこか悲痛なものを感じます。


つまり何が言いたいかというと、変に正義ぶってなくて、利己的に見えるが実は精神ボロボロの孤独剣士っていう設定に人間味があってとても良い!!という話です。

ラブコメも始まる気配がないし、これはもうガッツの復讐兼成長ストーリーって認識で正しいですか?

反抗期の息子を見るような目で暖かく見守ろうと思います。


それにしてもエルフのパックは性別どっちなんでしょう?

気になって調べてみたら、口調は男だから男でいいんじゃないかと知恵袋に書いてありました。

体は男とも女ともとれない不思議な姿ですが、まぁ可愛いからどっちでも良いですかね。


■印象に残ったセリフ

・自分の命さえ自由にできないなら死んじまえばいいんだよ


・その弱い人間が 切り刻まれようが突き刺されようが、それでもなお生き続けるってことがどんなことなのか…貴様も少しは味わってみろよ


・どんなことだろうとやりたいようにやって死んだんだろ?幸せ者だせそいつは


最後のセリフは作者の本心であれば良いな、と思いました。私もこのセリフには深く共感します。