漫画感想✩.*˚

漫画大好きなつきちが感想を書きます

オリエント 1巻 感想

■漫画紹介
この作品は、少年サンデーで連載されていた「マギ」の作者である大高忍先生の新作です。新作「オリエント」は週刊少年マガジンにて大人気連載中で、現在16巻まで発売されています!


■あらすじ
二人の少年が、「鬼を退治する」という志のもと、武士になる夢を叶えるために冒険する話です。
武士を目指す漫画は他にもありますが、武士の概念が¨刀を所持し敵と戦う¨以外にオリジナル設定を付けているのが大高先生のすごいところ。


¨人々が崇める鬼を敵だと言い続け、やめろと言われても戦う¨



人々は武士を必要としておらず、むしろ敵である鬼を神様だと言って崇めます。
原因は圧倒的な鬼の力の前に人間が服従してしまい、鬼はそんな人間に労働させることで自分たちが良い暮らしを出来ると考えたのでしょう。

過去に人を襲った歴史をかき消し、

ー鬼は神様。だから過去に鬼と戦った武士は大悪党ー
このように人々を洗脳します。


そんな世の中で主人公の武蔵はこう考えていました。
「鬼に服従するのはおかしい。武士は大悪党なんかじゃない、英雄だ」
だから武士になることを夢見ているけれど、まわりはみんな洗脳されているし、学校の授業も仕事も鬼のためのものばかり。
武蔵は自分の本当の気持ちを隠すようになります。


一方で、幼いころ武蔵と武士になる夢を抱いた小次郎はもともと武士の家系。
人々からいわれのない差別を受け続け、武士は必要とされていないと思い込み、自信を無くします。共に武士を目指した武蔵も本当は武士なんてなりたくないに違いない、と冷たく接するようになります。



■読んでみての感想 ネタばれあり
マギにドはまりして燃え尽き症候群になっていたので新作発表を聞いた時はうおー!となっていました。表紙は赤髪の元気そうな少年。相変わらずキャラデザが可愛くて綺麗で迫力があり、すぐ購入しました。


設定はとても分かりやすいシンプルなものでありながら、登場人物の意志の強さが読者の心を揺さぶります。


現実社会に生きる私たちもたまに思いますよね。
どうして夢を諦めなきゃいけないんだろう。好きに生きてはいけないんだろう。そして、どうしてみんなに合わせなきゃいけないんだろう。


みんなが言うことが正しくて、自分は間違ってて、だけどずっとモヤモヤしてて、どうしたらいいか分からない感情を抱いたことって、漫画好きな方ならなおさらあると思うんです。


これは偏見ですが、読書家ってその傾向強いと思います。
だって、そのモヤモヤを伝えるために漫画家や小説家は筆をとるからです。
私たちはそれらを動機に創られた作品に感動する。普段は自分の内側にあるものが、他の誰かにもあると知った時の魂の出会いを感動と呼ぶのだと、私は思います。


それらの感動を体験した人とそうでない人とでは、根本的なズレが生じます。
みんなに合わせることの安心とは比べ物にならない感動を知らないと、合わせることが何よりも良いことだと思考停止してしまうのです。


彼らはみんなと違う行動をした人のことが理解できません。
みんなと温事故とするのは楽しいし、安心するのに。


主人公の武蔵はこれらの同調圧力と葛藤する、多くの人々の代弁者であると感じました。


大高忍先生は私たちに伝えようとしています。
好きなことをするのは怖いけど、勇気を出せ。それは恥ずかしいことなんかじゃないし、間違ってなんかいない、騙されるな。と。


大人にも子供にも、夢と勇気を与えてくれる、偉大な漫画家さんだと改めて感じました。
面白かった~!



皆さんは読んでみてどうでしたか?
ぜひ感想聞かせて下さい!



■今回印象に残ったセリフ
・大丈夫!やれば絶対分かるからよ!
・自分の命をかけてでも譲れない何かがあるのならそいつは武士なのさ